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町で見かけぬ女 -第3話-【ピーターパン症候群の男と車いすの女】

投稿日:

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-自宅居間でバラエティ―番組を見てる栄太-

「………」

 

現在は夜の20時半。
俺は母親が経営する商店の2階にある自宅の和室居間で、ちゃぶ台に肘をつけながら一人バラエティ番組を見てくつろいでいた。
お店は20時で閉まるため、それ以降は近所の人が緊急で必要なものがある場合のみ、シャッターを開けて対応をする。
実質店の閉店時間は俺達家族が寝静まるまで。
客商売としてなんとも非常識な営業体制ではあるが、小さな町の一つしかない商店でご近所付き合いなどの関係により、そこら辺は融通を利かさないと田舎生活はやっていけない。

 

「結局…あの女来なかったな…」

 

昼間に俺が対応した車いすの女性は、その日お店に再び来ることはなかった。
理由は知らんが女性用のナプキンと言えば女性からしたら必需品のはずだ。
緊急を擁してなかっただけなのかもしれんが…やはりあそこはあの女を信用して商品を渡すべきだったのだろうか?
一応あの女はなんらかのケガか病気で車いすに乗っていた障がい者なのは間違いないのだから…少々俺も維持を張っていた感もあるし。
しかしなぁ…町で見慣れない女性に対して信頼しろというのも…ちょっと無理があるというか。
もしかしたら俺があんまり外に出ないからあの車いすの女がこの町の住人だって知らなかっただけかもしれないし…

結局俺はあの時あの女性にどうするべきだったのだろうか…
内容の入ってこないテレビを見ながら、俺はただただそんなことばかりを考えていたのであった。

 

-階段を上がる音-

「ただいま~、遅くなってごめんね。今ご飯作ってやるからね」
「…おかえり」

 

俺が一人で考え事をしていると商店街の寄合いから帰宅した母親が、1階の商店から続く階段を上って2階の居間に入ってきた。

「そういえばあんた、あれからちゃんと店番やってたんでしょうね?」
「ちゃんとやってたっつーの。ま、おかげでロクなことがなかったけどな」
「ロクなことがなかったって何よ?何かお客さんと問題でも起こしたの?」
「別に俺は問題起こしてねーよ。問題を起こしたのは客の方だ」
「…?一体何があったんだい?」
「別に大したことじゃねーよ。クレジットカードを出してきたからお会計ができなかった客が一人いたってだけだ」
「バカ!あんたお客さんになんて失礼なことしてんだい!そんなの商品だけ渡してお金は後で持ってきてもらえば良かっただけじゃないか!?」

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いやいや…それもそれで商売としてどうなんだよ。
田舎もんは人類みな聖人だとでも思ってんのか?

 

「それがご近所さんの顔見知りの客だったら俺だってそうしてたさ。ただその客がここいらじゃ見ない顔だったんでな。だから信頼できる客かどうか分からなかったんだよ。」
「…ふーん、ここらじゃ見ない顔ねぇ」
「…なあ、母さん。ここいらで車いすに乗った俺くらいの年齢の女って見たことあるか?」
「車いすに乗った女の子?いや、私はそんな子知らないねぇ」
「…そうか。母さんでも知らないか」
「その子が今日来たっていうお客さんなのかい?」
「そういうこと。一応住所と名前を書けば商品持ってっていいとは伝えたんだが、それは嫌だって言って商品持たずに店を出て行ったんだよ。一度帰ってお金持ってくるって言ってたくらいだから、ここら辺に住んでることは間違いないんだろうけどな」
「なるほどねぇ。そんな目立つ若い子がこの町を出歩いてたら絶対ご近所でも噂になってるだろうし、おそらくここら辺の子じゃないってのは本当なんだろうね。おそらくどっかの家の孫娘が田舎に遊びに来てるだけだと思うけど」
「ま、そういうことだ。俺の対応にミスはなかったと思うが?それでもまだ俺を怒りますか、母上殿?」
「あんたにはそれ以外でも怒るところはいっぱいあるんだけどね。我が家のニートの穀潰しが偉そうなこと言ってんじゃないよ」
「………」

 

そりゃごもっともだ、母上殿。
それを言われたら俺は何も言い返せねーよ。

ま、これであの女はこの町のもんじゃないってことは分かったし、俺の判断は間違っていなかったことは証明された。
これで俺もすっきりした…と思いたかったが…
やはり…俺の頭の中からはあの女性の存在は消えてはいなかった。
車いすの美女ってのが相当俺の中でインパクトがあったんだろうなぁ。
ここら辺に滞在してるからまたどっかで会う機会があるかもしれんが…その時はスルーして他人のフリでも決め込んでおくか。

つづく


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執筆者:


  1. 匿名 より:

    再生するボタンがない?

  2. 匿名 より:

    凸さん、やっぱりすごいです

    電子書籍に有ったら買ってますよヽ(´▽`)/

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